
こんにちは、みなとです
さて、今回はアルバイトのお話です
以前、アルバイト選びで迷っている薬学生向けに5つのおすすめアルバイトを紹介しました
本ブログでは、おすすめアルバイト5つのうちの1つとして調剤薬局を挙げています


それ以外にも薬学生にとってはいくつかのメリットがあるよ
調剤薬局でのアルバイトは医薬品を取り扱う現場に携われる訳ですから、薬学生であれば試験や就職に生かせることは間違い無いでしょう
ただし、不向きである人もいる点や薬局の選び方など注意点もあります
そこで今回は調剤薬局でのアルバイトについて以下の4つのことを解説します
- 調剤薬局のアルバイトはどんな仕事なのか
- 調剤薬局のアルバイトをおすすめできる理由
- 調剤薬局のアルバイトはこんな人には不向き
- 調剤薬局アルバイトの選び方
- 調剤薬局アルバイトの探し方

目次
調剤薬局のアルバイトはどんな仕事なのか
調剤薬局でアルバイトとして働く場合、扱いは薬局事務として働くことになると思います


これは厚生労働省から発表されているから間違いないよ
調剤補助員が行える業務については厚生労働省から通知がありました
調剤業務の在り方について(厚生労働省)
それを踏まえ、調剤薬局事務の仕事の一例を紹介します。
- 医薬品のピッキング
- 医薬品の一包化補助
- 患者対応
- 品出しなど
このほかにもレセコン入力などがありますが、保険に関わるところは正社員の方が行うのがほとんどだと思いますので、アルバイトの業務としてはこの辺りかなと思います
仕事内容①:医薬品のピッキング
薬学部的には計数調剤のことですね
棚などに保管されている医薬品を処方箋に記載されている数だけ取り揃える業務を行います
取り揃えた後は薬剤師に監査をしてもらいます
仕事内容②:医薬品一包化補助

服用する薬の数が多かったり、PTPシートだと薬を取り出せない患者さんに対し、分包機を用いて薬を一包にまとめてあげることがあります。
その際、パックのホチキス留めであったり薬の数を数えるといった一包化の補助業務を行います
一包化に関しても最終的には薬剤師がしっかり監査を行います
仕事内容③:患者対応
患者さんが来局したら処方箋や保険証などを受け取る業務を行います
初回来局の患者さんにはアンケートをお願いすることもあるかもしれません
窓口業務ですのでクレーム対応をすることもあるかもしれませんが、管理薬剤師に引き継げば良いです
仕事内容④:在庫管理、品出しなど
医薬品に加え一般品の仕入れや陳列を行います
調剤薬局であれば一般品の販売は少ないので主は医薬品の仕入れ業務だと思います
定期的に棚卸しも行います
調剤薬局のアルバイトをおすすめできる理由
それではなぜ国家試験対策に調剤薬局のアルバイトがおすすめと言えるのでしょうか?


調剤補助業務にも薬剤師の実務に関わるヒントが満載なんだ
あと、実は薬局内で立っているだけでも勉強になるんだよ!
- 医薬品の用法を覚えられる
- 医薬品の粉砕可否など特徴を覚えられる
- 薬剤師の服薬指導や疑義照会を聞くことができる
- 医薬品の名前に馴染むことができる
理由①:医薬品の用法を覚えられる
ピッキング業務で処方箋を見ていたり、一包化補助業務で1剤だけ別包になっていたりすると食後ではない特別な用法の医薬品がわかるようになります


内服薬の用法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アレンドロン酸ナトリウム水和物は、空腹時に服用すると胃障害を起こしやすいので、食事中あるいは食直後に服用する
- エファビレンツは、半減期が長いので1日1回服用する
- アカルボースは食後過血糖を改善するので1日3回食直後に服用する。
- シンバスタチンは夜間に亢進するコレステロール生合成を阻害するので1日1回夕食後投与がより効果的である
- シメチジンは食後の胃酸分泌亢進を阻害することを目的として、1日3回食前に服用する
皆さんわかりましたでしょうか?
正解は2、4です。
ここで知ってもらいたいのは、用法が国家試験で出題されることもあるという事実です
ここで出題された医薬品に関してはすでに青本に掲載されていると思いますが、最近承認された医薬品はどうでしょうか?
リナクロチド(リンゼス)、エロビキシバット(グーフィス)、ビラスチン(ビラノア)など…
(順に食前、食前、空腹時)
ちなみにこれらは国家試験でほとんど出題されていませんが、臨床ではよく処方されています
薬局でアルバイトをすることでこういった知識をお金をもらいながら身につけることができます
理由②:医薬品の粉砕可否など特徴を覚えられる
ピッキング業務、一包化の補助業務に携わることで医薬品の粉砕可否も身についてきます
高齢者など嚥下困難(飲み込む力が弱い)な患者さんには錠剤を粉砕して調剤することがあります
粉砕調剤自体は薬剤師でないと行うことができませんが、粉がパックされたものの取り揃えやホチキス留めはアルバイトでも行うことができます
その時、他の薬が粉になっているのに一つだけ錠剤やカプセルのまま調剤されている医薬品があったら何かしらの理由で粉砕ができなかったことがわかりますよね


85歳女性。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の治療を受けている。この患者の処方箋を家族が薬局に持参した。
(処方)
オメプラゾール錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 夕食後 14日分
家族より、最近飲み込む力が弱まり服用の際に苦労しているので、薬が飲みやすくなる方法はないかと相談を受けた。
問212(実務)
薬剤師の対応として、適切なものはどれか。2つ選べ。
- オメプラゾール錠を正確に半錠に分割して調剤する
- オメプラゾール錠を乳鉢で粉砕して調剤する
- ラベプラゾールNa錠へ変更し、乳鉢で粉砕して調剤することを医師に提案する
- ラベプラゾールカプセルへ変更し、脱カプセルして調剤することを医師に提案する。
- ランソプラゾール口腔内崩壊錠への変更を医師に提案する
正解は4、5です。
これは施設在宅などで粉砕をよく行う店舗であれば常識ですね。
粉砕の可否に関する問題もやはり国家試験で出題される可能性があります。
理由③:薬剤師の服薬指導や疑義照会を聞くことができる
アルバイトが患者さんに服薬指導をすることはできませんが、薬剤師が服薬指導をしていたり疑義照会をしていたりする内容を聞くことはできます。
これらの中には実務問題のヒントが満載です。
- 医薬品の用法(空腹時に飲んでくださいね、など)
- 医薬品の特徴(この薬は眠くなりません、など)
- 併用禁忌(今回処方でA薬が処方されていますが、他院で出ているB薬と併用禁忌です、など)

それでいて時給まで発生するなんて!

理由④:医薬品の名前に馴染むことができる
ここまで国家試験の過去問を交えながら国試を意識した解説をしてきましたが、そもそも下級生は医薬品の名前に馴染みがありませんよね
2年生以降になると、薬理学や薬物治療学が始まります
もちろん生体の理解や薬が効く理論も大切なのですが、まずは医薬品の名前を覚える暗記地獄ですw
低学年のうちでも早くから医薬品の名前に馴染むことができて今後の授業に有利に働くかもしれません
余談ですが、調剤補助員として働く薬局事務さんは薬の名前とどんな病気に使うかをなんとなく覚えている方が多いです
医薬品に関する授業は一切受けていなくても知識を身につけることができます
知識を行使するには国家資格が必要なので頑張って勉強していきましょう!
調剤薬局のアルバイトはこんな人には不向き
ここまでは調剤薬局アルバイトのメリットばかり挙げてきましたが、もちろん不向きな人もいます

不向きな人①:夜遅くまでがっつり働きたい人
適当に調剤薬局を検索して開局時間を調べてみると大体18時〜20時くらいで閉局していると思います
これよりも遅い時間まで働いてガッツリ稼ぎたい人には目的に添えないため不向きと言えます
調剤薬局アルバイトの選び方

でもどこの調剤薬局で働けばいいんだろう?

薬局選びで失敗するとさっきまでのメリットがなくなることもあるから注意!
それではどのような調剤薬局を選べば良いのでしょうか?
- 施設在宅を積極的に行っている薬局
- 複数の科から処方箋を受けている薬局
- 事務員の調剤・薬歴補助業務を積極的に行っている薬局
薬局の説明欄に記載されていることが多いので、これらに当てはまる薬局がおすすめです
不明確であれば電話や面接でしっかり確認しておきましょう
選び方①:施設在宅を積極的に行っている薬局
施設在宅を行っている薬局では一包化や錠剤の粉砕など薬剤の特性を知りうる業務を行っている可能性が高いです
施設に配薬する薬は大抵一包化しますし、高齢者が多いため粉砕も増えます
また安定して患者数が多いため多くの医薬品に触れることができます
選び方②:複数の科から処方箋を受けている薬局
複数の科から処方箋を受けている、いわゆる面分業の薬局でも多くの医薬品に触れることができます
というより、逆に単科の門前薬局だと得られる知識が少なくなるため微妙です
選び方③:事務員の調剤・薬歴補助業務を積極的に行っている薬局
勉強のために調剤薬局でアルバイトするのであれば、ぜひ調剤補助業務に携わりたいですよね
薬局によっては事務員はレセコンの入力や積極だけとしているところもありますので注意です
調剤薬局アルバイトの探し方


薬学部には薬局でアルバイトしている先輩が他学部よりは圧倒的に多いはずだから、
先輩からの紹介というルートも有力だね
探し方①:インターネットで検索する
『調剤薬局 アルバイト』
などで検索をかけると何件か表示されると思うので、その中から条件に合いそうな薬局を探していきます
探し方②:先輩に紹介してもらう
調剤薬局でアルバイトをしている先輩がいたら、さらにアルバイトを募集していないか聞いてみましょう
もしかしたらチェーン店の他店舗を紹介してもらえるかもしれません
インターネットを使うよりも詳しい話が聞きやすいと思うので積極的に聞いていきましょう
まとめ
今回は以下について解説しました
- 調剤薬局のアルバイトはどんな仕事なのか
- 調剤薬局のアルバイトをおすすめできる理由
- 調剤薬局のアルバイトはこんな人には不向き
- 調剤薬局アルバイトの選び方
- 調剤薬局アルバイトの探し方
- 医薬品のピッキング
- 医薬品の一包化補助
- 患者対応
- 医薬品の在庫管理、品出し

- 医薬品の用法を覚えられる
- 医薬品の粉砕可否など特徴を覚えられる
- 薬剤師の服薬指導や疑義照会を聞くことができる
- 医薬品の名前に馴染むことができる

- 夜遅くまでがっつり働きたい人

- 施設在宅を積極的に行っている薬局
- 複数の科から処方箋を受けている薬局
- 事務員の調剤・薬歴補助業務を積極的に行っている薬局

事務員の調剤補助業務に積極的な薬局の方が体験からの学習がしやすいんだったね
- インターネットで検索する
- 先輩に紹介してもらう

運よく調剤薬局で働いている先輩がいたらよく話を聞いてみようね
