
こんにちは、みなとです
先日、Twitterにて迷える子ペンギンさんからこんな質問を受けました


106回薬剤師国家試験からは絶対的な(明確な)合格点は廃止されてしまったんです…
みんなと競争して上位に入らなければならなくなったんだね
そこで今回は106回薬剤師国家試験から適応される最新の合格基準について解説します
- 絶対基準(65%以上)は完全廃止
- 新基準は他の受験生と競争する相対評価
- 必須問題による足切り条件は継続
- みなとが予想する合格率
- 合格基準の変化に対する対策は?
合否が大切な試験を受けるのであれば、その合格条件の把握は必須です!

目次
絶対基準(65%以上)は完全廃止
今までの薬剤師国家試験の合格基準は以下の通りでした
- 平均点と標準偏差を用いた相対基準により合格者を決定
- ただし、全問題(必須+理論+実践)の得点率が65%以上でも合格
- 必須問題全体の得点率が70%以上でないと足切り
- 必須問題の各科目の得点率がすべて30%以上でないと足切り
こちらの記事で解説している通り、101回〜105回は絶対評価から相対評価への移行期間でした

でもいきなり変えると混乱するだろうから、しばらくは65%以上は合格
という2つの基準が混ざった状態だったんだね
しかし先述した通り、106回からは絶対評価(65%以上)が廃止されます
- 平均点と標準偏差を用いた相対基準により合格者を決定
ただし、全問題(必須+理論+実践)の得点率が65%以上でも合格- 必須問題全体の得点率が70%以上でないと足切り
- 必須問題の各科目の得点率がすべて30%以上でないと足切り
つまり、65%(225点)が合格ラインでは無くなったと言うことです

誰かの予想じゃないの?

厚生労働省から正式に発表されたんだよ
厚生労働省からの通達
106回薬剤師国家試験の実施にあたり、厚生労働省から以下の通知がされました
この中で注目すべきは10.留意事項です



新基準は他の受験生と競争する相対評価
絶対評価である65%以上の基準が無くなった後はどのような基準で合否を判定するのでしょうか?

つまり、とにかく順位が大切!と言うことになるね
明確な数字は発表されていませんが、上位〇〇%が合格!といった合否判定が行われるようになります
ポイントは上位〇〇%に入るために必要な得点は毎年変わると言うことです
試験が難しい年や受験生のレベルが低い年は200点でも合格できるかもしれません
しかし逆に試験が簡単な年や受験生のレベルが高い年は240点でも落ちてしまう可能性があります
子ペンギンさんが気にしている65%をとっても不合格になってしまう現象が起こりうると言うことですね


他の人よりどれだけ頑張れるかが大切になるよ
ちなみに、絶対評価と相対評価の違いについてはこちらの記事で解説しているので、わからない方は読んでみて下さい
必須問題による足切り条件は継続
ただし、一部では絶対評価と言える基準が残ります

具体的には以下の通りだよ
- 必須問題全体の得点率が70%以上でないと足切り
- 必須問題の各科目の得点率がすべて30%以上でないと足切り
- 物理+化学+生物 5点/15
- 衛生 3点/10
- 薬理 5点/15
- 薬剤 5点/15
- 病態 5点/15
- 法規 3点/10
- 実務 3点/10
- 必須全体 63点/90
極端な話、理論105点と実践150点が満点でも必須が62点だったら不合格です


まあこんな極端なケースは無いだろうけど、ありえない話では無いよってことね
必須問題は理論や実践に比べると非常に簡単なのに1問あたりの配点は同じなので、必須問題で得点する方がコスパが良いです
その上、足切りの基準にもなっているので是非必須問題で大量得点したいところですね
必須問題で出題される問題の特徴は以下の記事で調査しています
【薬剤師国家試験攻略】青本(薬学)レビュー 青本だけで何点取れる?
まずは青本を開いて赤字を中心に覚えていきましょう
みなとが予想する合格率
残念ながら合格率について公式発表はされていないのでここからは筆者みなとの予想です


こちらの表は100回から105回薬剤師国家試験の合格率及び合格点を示しています
相対評価は101回から導入されていますが、初年度こそ合格率約77%と高いものの、その後は合格率が約70%になるよう合格点が調整されています
例えば102回、103回、105回などは合格点を225点にして合格率を60%程度に落とすこともできたはずですが、綺麗に70%になっています
これはもう意図的に70%を狙っているとしか考えられません
もし薬剤師の人数を調節したいのであれば少しずつ合格率を下げていくはずですよね

合格基準の変化に対する対策は?
基本的にやらなければならないことは変わりません
勉強する範囲や問われる知識レベルが劇的に変化することは無いでしょう
コアカリキュラムの改訂が行われましたが、青本など予備校の参考書はしっかり対応しているのでそれを活用すれば大丈夫です


相対評価、つまりは競争の試験になるわけだから
他の人よりも頑張るぞ!っていう気持ちが大切になるかも
個人的には勉強を早くから始めることが大きなアドバンテージになると思うよ
今まではゴールが明確だったから個人のペースで追い上げられたけど、今後は他の受験生との競争だから追いつけないところまで先を越されたら無理だよね

試験終了から合格発表までの1ヶ月を心穏やかに過ごすためにも
安心できる点数を取れるように頑張っていきたいね
まとめ
今回は以下について解説しました
- 絶対基準(65%以上)は完全廃止
- 新基準は他の受験生と競争する相対評価
- 必須問題による足切り条件は継続
- みなとが予想する合格率
- 合格基準の変化に対する対策は?
- 移行期間が終了し、225点の合格保証が無くなった
- 厚生労働省からの通知であるため確実な変更
- 相対評価とは他者と比較して優れているかどうかの評価方法
- 取った点数よりも順位が大切になる
- 試験の難易度や受験生のレベルによって合格点は変わってくる
- 必須問題による足切りは継続して採用される
- 具体的な基準は以下の通り
- 物理+化学+生物 5点/15
- 衛生 3点/10
- 薬理 5点/15
- 薬剤 5点/15
- 病態 5点/15
- 法規 3点/10
- 実務 3点/10
- 必須全体 63点/90
- 筆者のみなとは合格率70%程度が維持されると予想
- 101回から105回の移行期間中、合格率を下げようと思えばできたのに70%が維持されたから
- 勉強しなければならない内容や知識の質は現状維持と予想
- ただし他の受験生との競争になるという意識はもった方が良い
- 今まで以上に早くから勉強を始めることのメリットが強くなる
- 追い上げ勢は225点ではなく、フライング勢を追い抜くために勉強しなければならない
以上、薬剤師国家試験の合格基準の変更についてでした
この記事を読んでくれた方の国試対策の助けになれば幸いです
5年生以下の方も国試対策を初めてもいいかもしれません
現状は5年生までで国試対策をしている方は少数派ですが、今後は競争のため勉強する人が増えてくるかも知れません
参考書はやはり青本がおすすめですが、青本が無い方は青本級に有用な参考書を紹介いたしますので是非活用してみてください
