「薬学部生活もいよいよ終盤。薬剤師国家試験の勉強もした方がいいんだろうけど、いつから本格的に始めればいいんだろう?バイトもサークルも就活も卒業研究もあるし9月からでいいかなぁ?」
いつかは始めないといけない国家試験対策ですが、他にもやるべきこと、やりたいことがたくさんあってなかなか手を付けられない人も多いと思います。
ではいつから始めたらよいのでしょうか?
当然今すぐ始めるのが最高ですが、それでは元も子もありませんね。
正解は「自分の立ち位置を把握し、それぞれの適したタイミングで始める」です
なんともあいまいな解答になってしまいましたが、当然それぞれの学力には差がありますから、いつから始めればよいか正解を一つに絞るのは不可能です。
本記事では自分の立ち位置のはかり方と、それぞれに勧める勉強を始める時期を紹介します。
なお本記事はデータを示しつつ少々感情的です(笑)よろしくお願いします
目次
薬剤師国家試験は相対評価である
本題に入る前に覚えておいてほしいのが国家試験は相対評価、つまり競争であるということです。
103回の国家試験までは65%以上を得点すれば確実に合格できる絶対評価でした。
しかし104回の国家試験から厚生労働省の案内から65%を合格基準とする旨が消去され、相対評価へと移行しました
では上位何%が合格するのか?以下の表に示します

かなり分かりやすい傾向がみられましたね。
合格率はほぼ70%で推移しています。
言い換えれば上位70%が合格します。
合格するためには上位70%に入らなくてはいけません。競争です。
これを覚えてもらうと、これから解説する立ち位置の把握が重要であることが分かりやすいのではないかと思います。
自分の立ち位置を知るべき理由
ここから本題です。
いつから勉強を始めるか知るためにはまず自分の立ち位置を知る必要があります。
言い換えると、自分がヤバい状態なのか余裕なのか知る必要があります。
なぜかというと、国家試験は前述した通り競争だからです。
「しつこいよ!!!」と思うかもしれませんが大切なことなので繰り返します。
合格するためにあなたは上位70%に入らなければいけません。
6年生になると7月くらいから模試が始まり、全国順位が分かります。
一度でも下位30%に入ってしまったら、そこから脱出するために周りよりもハイペースで力をつける必要があります。
もし現在下位30%だとして、みんなと同じ時期に勉強を始めて追い抜くことができますか?
上位50%だとして、焦った下位30%が追い上げてきたときいつまでなら耐えられますか?
「直前に本気出すから大丈夫!」
本当に大丈夫ですか?誘惑に負けずに毎日勉強できますか?それができるのに今その学力なのですか?
模試の平均点は7月から1月まで右肩上がりです。みんな勉強しています。
まわりも合格を目指して勉強してきますから、差を縮めるのは大変です。
ではどうするか?
まわりがまだ勉強していないうちに出し抜くしかないんです。
まわりがまだ焦っていない時期に自分は焦るしかないんです。
そして自分がどれだけ焦るべきか知る方法が立ち位置の把握です。
正確に把握するためには統一模試を受ける必要がありますが
「そんなこと言っても全国模試なんかやってないし...」
と思うような時期にこの記事を読んでくれた人もいるでしょう。
そこで今回は、全国模試を使わなくても自分の立ち位置を把握する方法を紹介します。
自分の立ち位置を把握する方法
模試以外でどのように自分の立ち位置を把握するか?
それには学校内での自分の順位を把握すればいいです。
学校内の順位であればテストやCBT対策模試の成績などから把握しやすいと思います。
「え?学校内順位が全国順位と関係するの?」
はい、関係します。
調べればわかるのですが、学校ごとの国家試験合格者数は毎年ほとんど変わりません。
なので学校内の順位が国家試験に受かるかどうかの目安になります。
たとえば毎年代だいたい100人中50人が合格する学校であれば、50位以下は下位30%以下、25位ならだいたい上位35%と考えることができます。
この方法でだいたいではありますが、自分の立ち位置を把握できます。
少なくともこのまま周りに合わせていたら落ちるのか、すこしでも追い抜かれたら落ちるのか、周りと同じペースでも大丈夫そうなのかは把握できます。
具体的にいつから始めるべきか
下位30%以下の人
流石に今すぐ勉強を始めたほうがいいと思います
上位70%の誰かよりもハイペースで勉強をしなければ合格はできません
アルバイトや卒業研究、就職活動など外せない用事もあると思いますが、隙間時間を見つけてコツコツ積み上げていきましょう
単語カードアプリを使ったり、青本のページの写真をスマホに入れておけばいつでも勉強できます。
もちろん時間を取れる人は青本を開きましょう。
去年の青本、旧カリキュラムの青本でも大丈夫です。
下位30%のあなたは改定がどうの以前に基礎から壊滅的です。
単語の意味の理解や薬の名前の暗記など基礎から始めましょう。
最初に選ぶ科目は薬理や衛生がお勧めです。
理由は以下の記事で記載しているように赤文字からの出題が多いからです。
【薬剤師国家試験攻略】青本(薬学)レビュー 青本だけで何点取れる?
勉強を始めるときは何を覚えればよいかもわからないと思うので、赤字を覚えればよい薬理や衛生は単純で手を付けやすいと思います。
また、どうしても青本は文が長くて受け付けないという方向けに参考書のリンクも貼っておきます
下位30~50%の人
現時点では追い上げる必要はないものの、のんびりしていた結果下位30%に入ってしまう可能性のあるグループです
このグループは勉強する人が少しでも現れていたら勉強を始めないと危ない層だと思います。
実際Twitterなどで「○○点から逆転合格しました!」という報告はよく見られます
これはつまり模試では合格圏にいた人が代わりに落ちたことになります
具体的にいつごろかというと、筆者の考えでは遅くとも7月から始めたほうがいいと思います。
薬ゼミの模試は7月、9月、11月、1月と4回行われますが平均点は右肩上がりに推移しています。
つまり7月から勉強を始めている層がそれなりにいるということですね。
下位層に下克上されないよう、下位層のフライングを許さないようにしましょう。
ちなみにこの層が勉強する内容も青本の赤字中心(基礎固め)がいいのではないかと思います。
下位30%ほどではないにしても完ぺきではないと思いますので。
上位20~50%の人
そこそこ余裕があるそうだと思うので、まわりの大半が勉強を開始したときから本格的に勉強を始めればよいと思います
具体的には9月ごろではないでしょうか
卒業研究を終了する学校が出始めたり、薬ゼミの国公立の薬ゼミ講義が始まる時期ではないかと思います。
効率的な科目だけでなく、生物化の基礎教科も固めていき合格を確固たるものにしましょう
ちなみに生物化は効率が悪い面も確かにあり、気合を入れて勉強すると骨折り損になることもありますが、合計で60点もある上、しっかり簡単な問題も出題されるのでいわゆるノー勉は厳禁です。
上位20%の人
あなたの学習意欲や危機管理能力は素晴らしいので今までと同じ感覚で頑張ってください。
気負いすぎて燃え尽きることがないように気をつけましょう。
まとめ
いつから勉強を始めるべきかは人によって異なります
統一模試が開催されていない間は全国での自分の立ち位置が分かりにくいですが、各学校の合格者数と学校内の自分の順位でだいたい把握できるので計算してみてください
そして特に下位30%(学校の合格者数よりも順位が下の人)は焦ってください
そしてのんびりしている層を出し抜きましょう
勉強方法に関しても記事を書いているので参考にしていただけると幸いです
↓まずは青本の赤字と太字だけを覚えればいい話
【薬剤師国家試験攻略】青本(薬学)レビュー 青本だけで何点取れる?
↓単語カードアプリを使ったら薬理が楽勝だった話